IP-VPN網を経由して複数拠点のファイルサーバを本社にバックアップするためにSecure Back 3 Lite Editionを導入された東洋新薬様で、インフラ系情報システムの設計~運用・管理を担当されている大坪氏に、Secure Back 3 Lite Edition導入の経緯やご利用状況、今後の展開についてお話を伺いました。


健康食品や化粧品のODM(企画提案型OEM)を主な事業としている東洋新薬は、管理者を配置できない拠点のバックアップを行うため、集中管理機能や帯域制御機能を備えるSecure Back 3 Lite Editionを導入した。
- Secure Back 3 導入前のバックアップ環境について教えてください。

株式会社東洋新薬ではファイルの保存先をファイルサーバに限定しているため、バックアップ対象はファイルサーバのみとしています。本部と全国4ヵ所の拠点にはそれぞれファイルサーバがありまして、以前はそれぞれの拠点内でファイルサーバのデータをテープにバックアップしていました。
この運用はファイルサーバ導入時から続けていたのですが、拠点には技術者が常駐していないためバックアップシステムのメンテナンスが問題になっていました。テープの交換作業は拠点内の事務担当者でも可能ですがテープドライブなどのメンテナンスはやはり難しく、メンテナンス不備でテープが絡まってしまってバックアップが停止することも何度かありました。管理が行き届かない拠点ではハードのメンテナンス不足でバックアップに支障が出てしまうのです。
この問題を解決できないかと本部で稼働しているバックアップシステムの拡張を検討しましたが、価格やシステム構成などいくつかの問題があったため拡張案は見送りになりました。
- どういった拡張を検討されていたのですか?
本部(佐賀県鳥栖市)で稼働させている海外製のバックアップソフトを使い、拠点から本部にデータをレプリケーションしようという案でした。しかし拠点と本部との物理的な距離がボトルネックとなり、東京は東京でバックアップ、九州は九州でバックアップ、というようにバックアップシステムを分散せざるを得なかったのです。
バックアップサーバが拠点にあってもソフトはリモートで操作できると提案を受けましたが、ハードに障害があるとリモート操作もできません。これでは従来のテープバックアップで抱えていたメンテナンスの問題が解消されませんし、大がかりなシステムになってしまって導入や運用にも大きなコストがかかるため、別の方法を検討する事にしたのです。
- どんなきっかけでSecure Back 3 を知りましたか?
元々は私の上司宛で営業担当の方からのご提案がありまして、そこに同席したことがきっかけです。実は初めてご提案を頂いた時、ちょうど本部基幹システムのバックアップシステムをVTL(仮想テープライブラリ)に切り替えたばかりだったため、バックアップシステムの構築は終わりましたよ、ということで一度お断りしていたのです。
しかしその後バックアップに関する問い合わせが社内から増えたこともあり、拠点のバックアップシステムの変更を検討することになったのです。しかも既存システムの拡張案を見送る事になったため、何かいいご提案を頂けるのではないかとお話を伺う事にしました。
- 案内を受けてみての印象はいかがでしたか?
第一印象は「軽い」ですね。この軽さがあればバックアップサーバに何か障害が起きても他のサーバにすぐ移せます。それにバックアップサーバのリカバリも簡単そうだと感じました。現在利用している海外製のバックアップソフトにはない「手軽さ」が印象的でした。それに扱いやすそうだと感じましたね。分かりやすいインターフェースですから、拠点の事務担当者など技術者以外でも操作が可能だと思いました。

- 他社製品などとの比較はされましたか?
実は、当社と取り引きのあるSierに「機能でも価格でもSecure Back 3 を超えるような製品を探してほしい」と依頼したのですが、何とすべてのSierが降りてしまいました。DBやActive DirectoryのSYSVOLをバックアップするとなると他の製品が候補になるかもしれませんが、今回はそういった事が要件に無かったこともあってほかのSierは手を引いたのだと思います。製品の比較はしていないといいますか、こういった事情で比較をしようにもできなかったのです。
- 製品を導入する上でどんな点を重視されましたか?
一番こだわった点は世代管理です。「~世代前にすべて戻してほしい」という要望を拠点から受ける事があったので世代は従来から日単位で管理していましたが、今回の導入にあっては1日1世代で最大7世代分まで保存したいと考えていました。
また、回線への負荷をどこまで下げられるかも重要でした。拠点と本部(佐賀県鳥栖市)との接続にはIP-VPNを使用していまして、拠点から本部へは3Mbpsで接続されています。QOSで制御しているものの、この回線はテレビ会議にも使用しているためバックアップ時の負荷が心配だったのです。
Secure Back 3 はこれらの要件を十分満たしていると感じました。1日1世代で最大99世代まで保存できますし、帯域制御系の機能も充実しているので回線負荷についても安心できました。
- 導入の決め手は何でしたか?
世代管理や帯域制御などの機能、操作感や手軽さ、といった点はもちろん魅力だったのですが、決め手はモバイル環境を使った遠隔地バックアップのデモでしたね。ノートPCにデータ通信カードを挿した環境でバックアップ・リストアができるなら、いくら帯域に制限があるとはいえ当社のIP-VPN網でも問題なく使えると感じたのです。導入の目的は拠点から本部へのバックアップですから、ここがクリアできるかどうかは非常に重要でした。
- Secure Back 3 の使用感はいかがですか?

思った通り「軽い」ですね。使用感もそうですが、導入も当初の想定よりもずいぶん早く終わりました。元々は各拠点に出向いて設定しなければならないと思っていたのですが、試験的に現地で設定した福岡の拠点以外は、すべてリモートで設定できていたことには驚きました。おかげで時間と経費もかなり節約できましたよ。
運用を始めて3ヶ月ぐらい経ちましたが(10年3月時点)、拠点からのリストア依頼があってもすぐに戻せていますし、拠点からのバックアップも滞りなくできていますね。「過去のファイルがどうなっているか確認してほしい」といった依頼もあるのですが、世代のバックアップができているのですぐに対応できます。
リアルタイムバックアップで運用していますから世代を取るのは当然ですが、その日の最終データを世代として保存・管理できるかは非常に重要です。Secure Back 3 には「世代進行を1日1世代に限定する」という機能がありますが、正にこれが欲しかった世代管理の機能でした。
- どのような構成でSecure Back 3 を利用されていますか?
バックアップ対象としては4拠点(東京、大阪、福岡、熊本)にあるWindowsのファイルサーバです。バックアップサーバは本部設置ですね。東京から本部へは上限帯域を無制限に設定し、ほか3拠点からは3Mbps に設定しています。
バックアップ方式はリアルタイム、世代は5、1日1世代保存する設定で運用しています。元々は夜間にバックアップしようとスケジュール方式で運用していたのですが、途中からリアルタイム方式に変えました。
対象データとしてはOffice系が大半で、ほかにPDFや製品・原材料の画像や動画ファイルもあります。PowerPointの資料には製品・原材料の写真が使用されているため、1ファイルあたりの容量が10MB以上の物が多く、中には100MBを超えるような物もあります。こういった大きなファイルをすべてバックアップするとバックアップサーバのディスク容量を圧迫するため、不要な物はバックアップ対象から除外設定しています。
- 今後の運用計画について教えてください。
今のところバックアップやリストアに障害は発生していないのですが、ネットワークのトラフィックを見ながら上限帯域や転送ブロックサイズを調整していこうと思っています。夜間のバックアップからリアルタイム方式に変更したときも感じましたが、設定変更の容易さや柔軟性は運用を始めてから分かるSecure Back 3 の魅力ですね。
- 今後のアール・アイやSecure Back 3 に期待すること

Secure Back 3 は欲しかった機能を十分備えた製品なので満足しています。アール・アイについては対応が早いという印象を持っていますね。最近追加された“指定した世代の削除機能”や“バックアップデータを外部ストレージにバックアップできる機能”は、欲しいと思っていた機能です。こうした機能をすぐに追加してくるところは、古くからあるメジャーメーカーには無いフットワークの軽さを表していると感じます。今後もこういった部分は大切にしてほしいと思いますよ。

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株式会社東洋新薬は、トクホ(特定保健用食品)や健康食品、化粧品のODM(企画提案型OEM)企業だ。健康食品の商品企画から事業をスタートした同社は、現在、トクホ(特定保健用食品)の許可取得数が194件(2010年5月現在)と、2位以下を大きく引き離して日本一となっている。また同社は独自素材も保有しており、代表的なものとして『フラバンジェノール®』(※)がある。
※『フラバンジェノール®』は、株式会社東洋新薬の登録商標です。
企業名:株式会社東洋新薬
所在地:佐賀県鳥栖市弥生が丘7-28(本部・鳥栖工場)
事業内容:
・機能性食品、健康食品素材の研究、開発
・発酵、培養技術に関する研究、開発
・発酵、培養技術を生かした機能性食品の研究、開発
・化粧品の受託製造
・化粧品の原料、および素材の研究、開発
・医薬部外品の受託製造
・医薬部外品の原料、および素材の研究、開発
URL:http://www.toyoshinyaku.co.jp
元々はSierのネットワーク系SEだったが、設計や構築だけでなくサービスの適用や運用にまで携わりたいという想いから2007年に東洋新薬へ入社。現在は東洋新薬内でインフラ系情報システムの設計~運用・管理まで担当している。